Thread: Sincity bbc
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Qzziai Cs
  #3 (permalink)  
Old 10-07-2013, 02:25 AM
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 という声がして鉄製の扉がたわんだ。何人かが扉の向こうに居る。私は扉を箒で目茶苦茶に払った。いきなり 扉が開いた。紛れもなく私の家の前庭だったが、そこにはサーカス、と言うよりカーニバルの世界が広がってい た。怪力男やピエロの格好をした男が短剣をくるくる回していた。さすがに私も戸惑った。  「いや、腹《はら》は減《へ》ってない」
 中山は、肯いて見せると、部屋を出て行った。  テーブルの上に、回《かい》覧《らん》板《ばん》が置いてある。先にそれを隣の部《へ》屋《や》へ届《と ど》けて、戻ってから、ハンバーガーに、やはり買って来たコーヒーの昼食を済《す》ませる。
 奈央を山の中に連れ込むためにレンタカーを借りた。それも他人の免許証で。これも弁解はできない。身元を 隠すために拾った免許証を使った。  と息をついた。
 だから無人の堤防で風に吹かれながら、私はなんだか田舎にいるというより、近未来のSF都市にいるような 妙な気分になってしまった。  ここに私の最も思い出し難い時期が始まる。それからなお幾日か、私が独りで歩いた時間は、暦によって確認 されるが、その間私が何をし、何を考えたかを思い出すのに、著しい困難を感じる。
「さあ……」 「待て!」
        4  私は……奈落に突き落とされた。
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